先日TVを見ていたら、ワイドショー番組で
4月からの年金制度改訂について放送していました。
これまでは65歳から貰える年金を
70歳まで遅らせることが出来ましたが、4月からはさらに
75歳まで遅らせることが出来るようになります。
年金は受給開始年齢を遅らせれば遅らせるだけ
貰える月額がアップします。
4月からは75歳まで受給を遅らせることが出来るようになるため
最大で84%も多く貰えます。
これについて街頭インタビューをしていたのですが
それを聞いていて私は目と耳を疑いました。
目次
年金は少しでも多く貰いたいから
ある50代の男性は「少しでも多くもらいたいから75歳まで受給を
遅らせるつもり」と回答していました。
まあ考え方は人それぞれですから、
こう考える人を否定するつもりはありません。
ただ、こういう人は老後をどのように考えているのだろう
と首を傾げてしまいます。
その理由をこれから書きますね。
まず、75歳まで年金の受給を遅らせるということは
75歳までは自力で生きていくということです。
よほどの資産家ならいざしらず、
定年退職してから15年間もどうやって生活していくんですか?
ほとんどの人は再就職とか転職などをして
75歳まで働き続ける、と回答します。
人生100年時代、75歳なんてまだまだ現役世代だよ、って。
確かに現役世代と遜色なく仕事をこなす人もいるでしょう。
でも多くの人は頭や身体の老化により
定年退職以前のような仕事はこなせなくなります。
さらに60歳を超えると
雇用はしてもらえても賃金は確実に下がります。
下手をすれば現役世代の半分以下になることもありますよ。
いいんだそれでも。
私は仕事が好きだから。
仕事が趣味みたいなものだから、って。
良いでしょう。
それなら75歳まで仕事をして
普通の人の84%多い年金をもらうとしましょう。
その時あなたは自分がどうなっていると思っていますか?
平均寿命と健康寿命は全く違う
あなたは健康寿命という言葉をご存知でしょうか。
健康寿命とは、
他人の力を借りずに「ひとりで」生活出来る年齢です。
日本人男性の健康寿命は何歳か、ご存知ですか?
72歳です。
あなたは75歳まで
現役世代と同じように働くつもりをしていますが
大半はその手前で健康を害して働けなくなる、ということです。
これはあくまで統計上の数字ですから
全員が72歳で健康寿命が尽きるを言うことではありません。
特に働いている人は体力的にはしっかりしている人も多いので
75歳まで働き続けることは出来るかもしれない。
でもですよ。
あなたが75歳で仕事をやめて
年金をもらい始めたは良いけれど、それをどう使うんですか?
普通の人より84%も多くもらったとしても
平均的な人の健康寿命はすでに尽きていることを考えると
あなたが健康で人生を謳歌できる期間は
決して長くはないでしょう。
つまり、多くの年金をもらっても
その使いみちの殆どは介護施設の入居費用になるんですよ。
まあ、贅沢な介護施設には入れると思いますが
そのために75歳まで汗水たらして働くんですか?
TVのインタビューで答えていた人は
きっとこうした現実を知らなかったのでしょう。
それともうひとつ。
年金の受給年齢を繰り下げれば貰える額は増えますが
その手前で死んでしまった場合、貰える金額はゼロですからね。
あなたも含めすべての人は
自分が何歳まで生きられるかを知りません。
100歳まで生きるかもしれませんが
70歳で死んでしまうかもしれない。
こればかりは神のみぞ知るで、誰にもわからないことです。
だから私は60歳になったらすぐに貰い始めようと思っています。
前倒しして早く貰うことも出来るが額は減らされる
受給年齢を65歳よりも前倒しした場合、
その分もらえる金額が下がります。
最大60歳まで前倒しできますが
その場合に貰える額は24%減らされます。
ザックリと4分の3になるイメージですね。
え、そんなに減らされるんじゃ損でしょう、って思いますか?
でも60歳で定年退職して
すぐにもらい始めることが出来るんですよ。
普通にみんながもらう65歳までの5年間、
金額は4分の3かもしれませんが5年間ずっと貰えるんです。
その後もあなたが死ぬまで貰い続けることは出来ますが
金額はずっと普通の人が貰える額の4分の3のままですから、
65歳以降は貰える総額の差は徐々に縮んでいきます。
そして貰える総額は75歳で逆転します。
つまり75歳までは、貰える総額は
60歳からもらった場合のほうが65歳から普通に貰う場合よりも
多いんですよ。
どっちが良いか。
それは人それぞれの人生観や価値観で違うことでしょう。
私は1日でも早く貰いはじめて
減らされた分を何らかの方法で補う事を考えます。
減らされた分を補うだけなら
月額でも数万円ですから大した仕事量は必要ありません。
つまりフルタイムで働く必要はないということです。
浮いた時間を趣味に講じるもよし
新しい習い事を始めるもよし
夫婦で過ごす時間に当てるもよし。
これこそがセカンドライフの過ごし方だと思いませんか?
いつ死ぬかわからない。
いつ一人で生きていけなくなるかわからない。
だとしたら、老後の楽しい時間は
早くからスタートしたほうがいい。
私はそう考えています。
ということで、今回はこのへんで。
最後までお読みいただきありがとうございました。